【台中(台湾)藤野智成】北京五輪アジア予選を兼ねたアジア野球選手権の決勝リーグが1日、当地の洲際野球場で開幕した。星野仙一監督率いる日本代表は、第2試合で1次リーグ1位通過のフィリピンと対戦。一回に打者一巡の猛攻で5点を挙げるなど打線が爆発、先発の涌井(西武)も好投し、10−0で七回コールド勝ちと初戦を飾った。第1試合の韓国・台湾は、序盤リードされた韓国が李鍾旭(斗山)の3点本塁打などで5−2と逆転勝ちした。決勝リーグは4カ国・地域の総当り制で行われ、1位が五輪出場権を獲得、2位、3位は世界最終予選に回る。日本は2日に韓国、3日に台湾と対戦する。
○日本10−0フィリピン●(七回コールド)
16安打を放った日本が七回コールドで白星発進した。一回に新井の中越え三塁打などで一気に5点を先取。五回には、稲葉が右中間に今大会日本勢第1号となるソロを放ち加点し、六回に稲葉、サブローの連続適時打などで4点を加え、試合を決定づけた。先発の涌井は6回無失点の好投。フィリピンに打たれた安打は三回のアンヘレスの左前打のみだった。
▽日本・星野監督 涌井は申し分ない投球だった。100点に近い。新井はいい中越え三塁打を打った。心配していたが、これで(新井に対しては)安心できる。
◇日本、「つなぐ打撃」で圧勝
1次リーグから勝ち上がってきた相手との初戦を、日本はコールドで白星を手にした。星野監督は「勝ったのは当然」と話したが、試合終了直後にはウイニングボールを受け取ると、ズボンの左ポケットへ大事そうにしまった。
星野監督が掲げた「つなぎの野球」が一回から見られた。打者10人の猛攻。それを呼び込んだのは主砲の一打だ。2死三塁の好機。新井(広島)は相手左腕の失投を見逃さなかった。真ん中高めに甘く入った130キロの直球をたたいて中越え適時三塁打。続く5番の阿部(巨人)の適時打を含む4安打で大量点を奪い、六回にも4連打などで4点を挙げた。「緊張はしたが、一発勝負の短期決戦の初戦で先取点を取れたのはよかった」と新井。
初戦を前に、星野監督には一つ気がかりなことがあった。「もうちょっとゲームをやりたかったかな」。日本は11月22、23日にオーストラリア代表と強化試合をし、翌24日に台湾入り。7日間のブランクに、選手の実戦感覚が鈍るのではないかと心配していたのだ。 相手のミスや打球がイレギュラーして安打になる幸運にも助けられた。五回無死一塁の場面では、走者のサブロー(ロッテ)が捕手からのけん制球でアウトに。守りでも五回に村田(横浜)が三遊間寄りの打球を後ろにそらす失策があった。今後の韓国、台湾戦に不安を感じさせる場面だった。
「もっとかっこよく勝ちたかった。ミスをしない野球をしないと大変なことになる」。勝ってうれしさ半分の「コールド発進」に、星野監督はかぶとの緒を締め直した。【田中義郎】
○…5番に座った阿部が今季101打点の勝負強さを発揮した。一回2死三塁の好機で、甘い球を見逃さなかった。フルカウントから高めに入った直球をとらえ左前へ。三塁走者を迎え入れる適時打になった。阿部は第2打席は右前打、四回の第3打席も中前打としっかり出塁。中大時代にシドニー五輪代表を経験しており、大舞台に強いところを見せつけた。
○…開幕試合を託されたのは21歳の涌井だった。北京へ向けた船出の重圧などどこ吹く風、大量点にも守られて淡々と投げ続けた。中でも圧巻は二回。直球で押し、カットボールで崩し、中軸を3者三振に仕留めた。登板前夜は「いつもと変わりません」と平然としていたが、改めて強心臓ぶりを実証。プロ入り3年目の今季、両リーグ通じて最多の17勝(10敗)を挙げて、松坂(レッドソックス)に代わる西武の顔となったが、次に狙うは「星野ジャパン」の顔か。
○…稲葉が五回、チーム第1号のソロ本塁打を右中間に放った。フィリピンの先発ロブレスが投じた内角の球を、窮屈そうなスイングでとらえた当たりは詰まったように見えたが、意外と伸びて右中間スタンドへ。初回に5点を先取したが、その後攻めあぐんでいた日本。代表候補が絞られる段階で日本ハムのチームメート、武田久と武田勝が外れ「彼らの分も頑張りたい」と話していた稲葉。待望の追加点となる一発を放ち、その思いをプレーでしっかり示した。
○…日本代表の星野監督ら首脳陣が台湾−韓国戦を視察した。スタンドに陣取った星野監督らは両チームの戦いぶりを真剣な表情で、じっくりチェック。韓国の先発が、日本戦で先発するとみられていた柳賢振(リュ・ヒョンジン)で、田淵コーチは「これで日本戦は右投手の柳済国(リュ・ジェグク)だろうな」と話すなど収穫を得た様子。太鼓やホイッスル、メガホンをたたいて応援する、熱狂的な台湾のファンの応援に。星野監督は「耳が聞こえなくなりそうだ」とこぼした。
○…三塁側スタンドでは日の丸を片手にした日本人応援団がラッパや太鼓で声援を送った。週末休みを利用して、日本から駆けつけた会社員、川北杏里さん(26)は、同僚の仲村宏子さん(24)とともにジャパンのユニホーム姿で応援。2人とも千葉県在住とあって、代表に5選手を送り込んでいるロッテの大ファン。先頭打者を任された西岡を特別に熱心に応援した。「転がして、つないで、足を使う日本らしい野球で勝ってほしい。月曜からは仕事なので観戦は今夜だけですが、ぜひ五輪切符を勝ち取ってほしい」。
○…堅い守りで1次リーグを勝ち抜いたフィリピンだが、大一番でほころびが出た。初回、2点を先制され、なお2死満塁の場面で、サブローの三ゴロをタトルがお手玉。続く川崎の一、二塁間への打球も、二塁手アンヘラスが追いつきながら捕球できず、右前に抜けて2点適時打となった。1次リーグでは3試合で失点はわずか「1」。デロスレイエス・コーチは「決勝リーグでも守り勝ちたい」と意気込んでいたが、選手たちの動きが硬くなってしまったようだ。
フィリピン
0000000◆0
500014×◆10
日 本(七回コールド)
(日)涌井、小林宏−阿部、矢野(フ)ロブレス、バクライ、デラカルサダ−ロハ▽本塁打 稲葉(日)
引用:
毎日新聞
posted by ニュースお届け人 at 22:08
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